企業リレーインタビュー
 
株式会社肥後銀行
代表取締役頭取
小栗宏夫 氏
(熊本経済同友会 代表幹事)
 
1. これまでの歩み −徹底的な議論でチームワークを生み出し、部下を育てる−
 
  学生時代、当時、日本の経済成長期の産業界を資金面でサポートしていた銀行に魅力を感じ、都市銀行の最大手であった富士銀行に入行を決めた。
  入行後は、新宿西口支店にて店頭業務や貸付業務などの基礎を学んだり、次の板橋支店では、中小企業経営者とのやりとりを通じて実践的な業務を学ぶなど、多くの先輩方や地域の方々にお世話になり、銀行業務の基礎を培ったと思う。また、当時は企業内のスポーツ活動も盛んであり、京浜地区の支店対抗野球大会で板橋支店が優勝するなど、行員みんなで公私にわたり楽しんだ思い出が、鮮明に記憶に残っている。
  その後、大阪支店、京都支店と関西における勤務となり、様々な商取引を学ぶ機会を得て非常に貴重な経験を積んだ。昭和59年6月、42歳の時に鎌倉支店長に就任して以来、恵比寿支店長、銀座支店長や本店の審査部長などを経験し、経営者としての判断の重要性や組織活性化の手法などを学んできたのではと思う。
  特に、チームとしての方向性を見出し、力を集中させる為には、トップから社員にいたるまで、フラットな議論を徹底的に実施して意見を出し合い、納得した結論を出すことが肝要だと考えている。現在に至るまで常に実践してきており、私の経営に関する信念的なものとなっている。
  また、部下育成の観点においても、意見を出し議論するということは、部下が常に考え、責任を持って自律的に行動することに繋がり、意見を出させることが非常に重要なポイントではないかと考えている。
 
2. 肥後銀行における事業展開について −お客様視点と地域経済への貢献を−
  当行は、「お客様第一主義に徹し、最適の金融サービスを提供します」「企業倫理を遵守し、豊かな地域社会の実現に積極的に貢献します」「創造性に富み、自由闊達で人間尊重の企業文化を確立します」という企業理念のもと、常にお客さまの視点に立ち、地域経済に貢献することを経営の基本としている。
  現在、平成15年度から17年度までを期間とする「新世紀 第二次中期経営計画」に取り組んでおり、「お客様からの強い支持に基づく強靭な企業体質の構築」を基本目標に、お客様とのコミュニケーションを深め、お客様を良く知り、お客様ニーズに対応した質の高い金融サービスを的確に提供することを行動指針として、収益性と健全性を兼ね備えた銀行を目指している。

 
3. 環境への取り組み −地域を守り・育む努力を展開中!−
肥後の水資源愛護基金
  昭和62年ふるさとの貴重な財産ともいうべき”地下水”を枯渇と汚染から守ろうと提唱し、熊本県、熊本日日新聞社との共催により、「肥後の水資源愛護賞」を創設した。
  これは、平成4年設立の財団法人「肥後の水資源愛護基金」に引き継がれ、基金では顕彰活動のほか、シンポジウムの開催、節水器具展の実施など様々な活動がなされており、先輩方がはじめられた有意義な取り組みを継続している。
 
九州内の銀行“初”の環境ISO取得
  そして、当行は、環境への取り組みを更に充実させるべく、平成16年10月に環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」を九州内の銀行として初めて取得した。ISO審査では、(財)肥後の水資源愛護基金とともに、地道に取り組んできた水資源保全活動が高く評価されたようだ。また、「肥後銀行の環境方針」を策定し、電気や水道、紙の使用量削減、グリーン購入、環境に配慮した商品開発などにも注力している。
 
4. 熊本経済について −資源豊かな地域特性を活かし“付加価値”の追求を−
  熊本県は、全国有数の農水産物の生産基地であり、一方では、先端産業の集積、輸送機器製造業や関連企業が立地している。また、県南では醸造、製紙などの業種が集積しており多様性に富んでいる。更に、地理的な面では、九州の中心に位置し、九州内の交通結節点としての物理的な利便性は高いといえる。
  今後、県内産業の活性化に向けては、更なる付加価値の追求が必要ではないだろうか。例えば、農業分野においては、付加価値の高い農業生産を指向すると共に、あわせて食品加工、飲食、観光との水平連携による産業の一体化が必要だと考えている。
 
5. 創立50周年を迎える熊本経済同友会について −“行動”する同友会へ−
  会員の皆さんの発展と飛躍、そして地域経済の活性化を目指し、「自立と連携」をテーマとして、7部会1委員会で取り組んでいる。啓発の為の調査・研究にとどまらず、関係各所との連携を図りながら、施策への反映を目指したり、具体的な行動レベルまで活動が広がっている。
  具体的には、経済構造改革特区の申請に向けた取り組みへの積極的な参画、「新しい観光・集客」の振興に向けた提言書の作成。また、経営に関する議論を行う場である熊本フォーラムの分科会から発展して、行政・教育機関との連携を図りながら、農林水産資源を活用した地域振興のあり方について検討を行うなど、まさしく「行動する同友会」としての取り組みが活発化している。
 
6. 同友会会員の皆さんへのメッセージ
  2005年度は「自立と連携―革新への行動―」の活動方針のもと、より活発な活動を展開していきたいと考えており、特に、若手会員の皆さんの積極的な発言と行動に期待している。
  また50周年の節目を迎え、同友会全体の盛り上がりに向けて、皆さんの積極的なご協力をお願いしたい。