IT実践勉強会
TOPページへ TOPページアーカイブスIT実践勉強会一覧2006年第5回
第5回 IT実践勉強会 要旨
●日 時: 平成19年3月9日(金曜日)
15:00 〜 16:30
●場 所: NTT西日本 熊本支店 桜町ビル
1F 多目的ホール
●テーマ: 「先行企業に学ぶCSRについて」
●講 師: NTT西日本 ソリューション営業本部 担当課長
三美 文幸 氏
NTT西日本ソリューション営業本部 三美文幸氏

事務局所感−勉強会を振り返って
  2020年「キリマンジャロから雪が消える」、2025年「北極の生物が絶滅」、2040年「北極海の氷が溶けてなくなる」、2048年「食用となる魚介類が、ほぼ姿を消す」など、現在のペースで地球温暖化が進むと、近い将来、地球環境はもちろん、人類が生きていくうえで深刻なダメージが発生するだろうと警告する調査レポートがあるとのこと。
  これら諸課題に対し、企業自らが取り組むことを、ますます望まれることはもちろん、ロハス(健康と環境を志向するライフスタイル)消費者と呼ばれる人々を取り込んでいくことは、企業として発展するうえで、不可欠と講師は説きます。今回の勉強会では、前回の「企業の内部統制」に続き、CSRの観点にて、さらに幅広く企業として取り組むべき様々な課題について、事例を交えて、ご教授を頂きました。
  また、今回は、講師(大阪)と会場(熊本)とを、"光"ブロードバンド回線を利用したTV会議システムで接続し遠隔講義形式とすることで、講師の移動のための交通機関等を使うことなく、地球環境にも優しい勉強会とすることができたのではないかと思います。


講演要旨
1.	CSRとは?
  CSRとは、企業と社会が健全な発展を遂げるために、企業を取り巻く利害関係者(ステークホルダー)に積極的に貢献していくことであり、日本では、このステークホルダーとの関係が最重要視されている。
(1)企業不祥事とリスク
  近年の特徴として、「多様化」、「巨大化」、「連鎖」があげられ、持続可能なビジネスの成功には「CSR」への取り組みが重要である。
・多様化 IT化の進展による機密情報漏洩、不正アクセスなど
・巨大化 不祥事がもたらす影響が、企業のリスク許容量を越え、企業の存在そのものが危うくなるリスク
・連  鎖 アウトソースやサプライチェーンなど、管理対象が企業の外にまで及ぶため統制が効かないリスク
(2)CSRに取り組むべき企業
  前回の勉強会で紹介した内部統制においては、金融商品取引法は上場企業などを対象とすると解説したが、CSRについては、売上規模の大小、業種/業態、上場/非上場などに関係なく、全ての企業が取り組む必要がある。

ステークホルダーから見たCSR
(1)投資家から見たCSR
  日本で設定されている主な国内株式型SRI(注)ファンドの純資産額は、上昇傾向にあり、また、日本のファンドが数千億円規模なのに対し、海外では、既に数十から数百兆円規模になっており、CSRに取り組む/取り組まないで、今後、資金調達の面でも影響があるかもしれない。
(注)SRI(社会的責任投資:Socially Responsible Investment)
  • 従来の財務分析による投資基準に加え、 社会・倫理・環境といった点などにおいて社会的責任(CSR)を果たしているかどうかを投資基準にし、投資行動をとることをいう。
  • 米国での全投資ファンドの数十%がSRIに基づいていると言われており、今後の投資基準のメインストリームになりつつある。
(2)消費者から見たCSR
(事例1)P社
  • 不完全燃焼による一酸化炭素中毒が、過去20年間で28件発生、うち21人が亡くなるという事実が発覚
  • 信用失墜による売上減少に加え、無償交換等によるコスト増が200億円超
(事例2)F社
  • 消費期限切れ原料を使った製品を出荷していたことが内部告発によって発覚
  • 消費者の信用を失い数ヶ月にわたって事実上の業務停止状態に
  以上の2つの事例に共通することは、「法律違反をしているわけではない」点であり、CSRに取り組むうえで、法律さえ遵守しておけば良いという考えは、通用しないことが伺える。
  日本では、ロハス(注)消費者は25%占めており、他の消費者層と比較して、「環境・健康に配慮した製品は2割くらい高くても買う」という調査レポートもあり、今後、ますます増えるであろうロハス層を上手く取り込んでいく努力が必要と思われる。
(注) ロハス(LOHAS:Lifestyles Of Health And Sustainability)
健康と環境を志向するライフスタイル

3.	環境の未来予測(博報堂生活総合研究所「未来年表」より引用)
・2020年 中国の二酸化炭素排出量が2000年の水準の2倍に、世界の排出量の2割を占める。キリマンジャロの頂から雪が消える。
・2025年 ホッキョクグマやアザラシなどの北極の生物が絶滅。アジアで24億人が水不足に悩まされる。
・2035年 世界で温室効果ガスの量が2倍に増加。干ばつや海面上昇で2億人の難民が発生。世界全体でGDPの20%が失われる。
・2040年 北極海での氷が4倍の速度で縮小、この年の夏には溶けてなくなる。
・2048年 乱獲と環境汚染による生態系の破壊から、食用になる魚介類のほとんどが地球上から姿を消す。
・2050年 100万種以上の陸生動植物が絶滅。
・2080年 海面上昇により、タンザニアで約2000平方キロが水浸しになる。
・2100年 海面上昇により、アジアで暮らす1300万〜9400万人が浸水被害。

CSRへの取り組み
  CSRの実際の取り組みに向けては、方針とマネジメントシステムが重要である。方針については、トップダウンで行う必要があり、社員まかせでは上手く機能しない。また、マネジメントシステムについては、一度、ビジョン/戦略/方針、及び、体制等を整備して終わりということではなく、PDCAサイクルを意識した、継続した取り組みとすることが大切である。
(TV会議システムによる講演模様)
会場写真


参考
■NTT西日本のビジネスソリューション
http://www.ntt-west.co.jp/solution/
■博報堂生活総合研究所「未来年表」
http://seikatsusoken.jp/futuretimeline/
■環境goo
http://eco.goo.ne.jp/
■CSRアーカイブ(日本総研)
http://www.csrjapan.jp/
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